じいちゃんが「一番いいのくれ」と言って買ったスーパーカブC50カスタム(角目・4速セル付き、1992年式くらい)。
このリアサスから、どうもオイルが滲んでいる。
乗り心地の変化がないと思っていたので、あまり気にしてなかったんだけど、人に「リアサス曲がってない??」と言われてよく見るとオイル漏れだけでなく、曲がりが発生しているのでこのまま乗り続けるのは危険と思ったから。
そこから始まった、長い長いリアショック選びの記録です。
結論だけいうと、YSSというメーカーのショックを購入することにしました。
私が迷って、間違えて、遠回りした過程を全部残しておきます。冗長なのがこのブログの持ち味なので。
そもそもカブのリアサスにオイルなんて入ってるのか
最初の疑問がこれだった。
30年以上前の実用車のリアサス、ただのバネだと思っていた。
でも調べてみると、カブ系も含めてバイクのリアショックは基本的にコイルスプリング+オイルダンパーの構造になっている。四輪ほど本格的ではないにせよ、ちゃんと減衰用のオイルが入った機構なのだ。
「一番いいの」を選んだというなら、上位グレードで足回りもそれなりのものが奢られている可能性が高い。
つまりオイルダンパー入りで、そのシールが経年で劣化して滲んでいる、というのが順当な見立てだった。30年以上経っていれば、シールが硬化して漏れるのはむしろ当たり前である。
減衰が抜けると、乗り味は「ふわふわ」「スコスコ」した頼りない感触になる。そうなったらオーバーホールか交換だが、この年式で純正部品の在庫を探すのは現実的でない。というわけで、社外品への交換を前提に候補探しが始まった。
候補その1:NBS(バイクパーツセンター)RCリアショック
まず目に入ったのが最安値のNBS。Amazonでブラックが6,333円(35%オフ)。レビュー579件で星4.1という、数字だけ見れば頼もしい商品だ。乗り心地が良くなった、見た目もカッコいい、という声も多い。
ただ、レビューを丁寧に読むと引っかかる点があった。「使用ひと月で折れました」というレビューに12人が「参考になった」を付けている。リアショックが走行中に折れるのは転倒に直結する。1件でもこれが最も参考にされているレビューだという事実は、安さだけでは相殺できない。
もうひとつ、自由長の問題。NBSは320mm。C50純正は約325mmなので、これだと5mm短くなり車高がわずかに下がる。実用上ほぼ影響ない範囲ではあるが、汎用品ゆえに車種専用の詰めがないのは確かだった。
ちなみに、レビューに「L330mmはリアが上がりすぎてキャスター角が変わる」という一文があって私は一瞬納得しかけたのだが、よく考えるとNBSは320mmベースの商品。純正より短いのだから車高は下がるはずで、「上がりすぎ」は辻褄が合わない。おそらく別車種や別サイズと混同したコメントだ。
レビューは鵜呑みにしてはいけない、という良い教訓になった。
候補その2:YSS(ワイエスエス)DTGガスハイブリッド
カブ乗りの間で定番中の定番がYSS。
タイの老舗サスペンションメーカーで、1983年からOEMで純正サスも手掛けている実績がある。日本ではKN企画が正規代理店だ。
DTGシリーズは窒素ガスとオイルのツインチューブ構造で、5段階プリロード調整付き。
C50なら取付長330mm(品番PF-YSS-163、RB220-330P-48-85)が該当する。純正325mmに対して+5mmだが、この程度なら車高・キャスター角への影響はほぼ無視できる。
実際、複数のブログで「330mmなら純正とほぼ同じ長さ」と確認されている。
評判は頭一つ抜けていた。「安定感がすさまじく、原付から中型・大型に乗り換えた時のような違いを感じた」といった体感差の大きさを語る声が目立つ。まぁ、この辺りは少し大げさではとも思うけど、破損報告も見当たらず、7年間走行して耐久性を検証したという記事まであった。
ひとつ注意点として、YSSは偽物・粗悪品が出回っているという警告も見た。
「走行中にへし折れても不思議ではない」という物騒な話はそうした模造品のことだけど、正規ルート(KN企画・PARTSLINE24など)で買えば問題ない。NBSの「折れた」とは事情が違う。
候補その3:キタコ
国産の安心枠がキタコ。
最初はここにしようと思ってたんだけど。
オイルダンパー式、5段階プリロード、330mm、2本1セット。実勢価格はYSSとほぼ同等の1万円台前半。カラー展開が豊富で、メッキやブラックなど見た目の選択肢が多い。
レビューは総じて好評で「純正と比べてフニャフニャ感はなくコーナリングが楽しい」「大陸製とは違う」と国産品質を評価する声が多い。
カブ用での破損報告は見当たらなかった。唯一の癖は「純正より硬め」という点だが、プリロードを最弱にすれば街乗りでも問題ないという評価が大勢だった。
ただカラーリングが好みでなかったのでした。
候補その4:SP武川
4ミニ・モンキー界隈で有名なSP武川も定番。
ここも日本メーカーなのでいいなぁと思ってた。
ただ、調べていくと3社の中で最も硬めの味付けという声が多かった!
「武川とキタコを比べると、プリロード最弱でもキタコの方が柔らかい」という直接比較のコメントもあった。
しかも武川は価格も3社で一番高い。
カブ用のリアショックアブソーバー(06-04-0169など)はAmazonで15,000円超、ショップによっては税込19,800円という値付けだ。
剛性感・カチッとした乗り味が好みなら武川。
だが今回はオイル漏れで抜けた純正からの乗り換えで、狙いは乗り心地の改善。
硬い方向に振るのは目的と合わない。値段も一番高い。というわけで武川は候補から外れた。
レビュー件数の罠
途中で「キタコやYSSはレビュー件数が少ないけど信用できるのか」という疑問が湧いた。ここは整理しておく価値がある。
NBSはAmazonで579件と多い。
一方キタコ・YSSは数十件程度。だがこれは品質差ではなく、キタコ・YSSが色や長さごとに品番(=商品ページ)が細かく分かれているため、レビューが分散しているだけだ。
NBSは汎用1品番に集約されているから件数が多く見える。カブのカスタムはむしろ、みんカラや個人ブログでの実装レビューが情報の本流で、そこではキタコとYSSが繰り返し定番として登場する。Amazonの件数だけで判断してはいけない。
保管環境と錆の話
錆も気になったので調べた。
結論、屋根ありの保管ならメーカー差はそれほど気にしなくていい。直射日光と雨ざらしを避けられれば、YSS・キタコ・武川のどれでも5〜10年は目立った錆は出にくい。
差が出るとすれば、冬場の融雪剤を使う道を走る頻度くらい。
うちは屋根ありなので、この点でメーカーを絞る必要はなかった。
迷走した「345mm/330mm」問題
ここが今回いちばんの遠回りだった。
YSSの330mmを買おうとAmazonのリンクを開いたら、私の画面では345mmで表示される。相談していたAIは「330mmのはず」と言い張るが、私が見ると345mm。押し問答になった。
結局わかったのは、YSSのDTGはひとつの商品ページに複数サイズが統合されていて、サイズ選択式のページだと、開いたタイミングやデフォルト設定で345mmが表示されることがあるということ。
商品名に330mmと書いてあっても、プルダウンが345mmになっていればそのまま買うと345mmが届く。
JA07(カブ110)は純正345mmなので、そのサイズも同じ土俵に並んでいるのだ。
教訓は単純。リンクは入口にすぎない。
購入ボタンを押す前に、商品ページ自体で「330mm」と「C50/スーパーカブ」の表記を自分の目で確認する。これに尽きる。
誰かの「このはず」を信じて発注してはいけない。
最終的にはサイズ選択のない330mm固定のページ(RB220-330P-48-85)を選べば間違えようがない。
最終判断:YSSを購入
候補を並べ直すとこうなる。
| メーカー | 価格目安 | 折れた報告 | 乗り味 |
|---|---|---|---|
| NBS | 約6,300円 | あり(12人参考) | 良いが当たり外れ |
| キタコ | 1万円台前半 | カブ用ではなし | やや硬め・調整可 |
| 武川 | 約15,000〜19,800円 | なし | 最も硬め |
| YSS | 約12,000円 | なし | 上質・ガスハイブリッド |
NBSは断然安いが「折れた」報告が引っかかる。
武川はキタコ・YSSより高いうえに味付けが硬く、乗り心地改善という目的と合わない。
残るはキタコとYSSで、この2つは実勢価格がほぼ横並び(1万円台前半)だった。キタコは国産の安心感、YSSは乗り心地の質と破損報告のなさ。
正直どちらを選んでも後悔はしなかったと思う。
最終的に私はYSSを選んだ。理由は、抜けた純正からの乗り換えで狙いが「乗り心地の質的向上」だったこと、そして破損報告が一件も見当たらなかったこと。そしてカラーリング
キタコとほぼ同価格なら、ガスハイブリッドの乗り味に賭けてみたかった、というのが本音だ。
正直な反省
この選定、実際にはもっとグダグダだった。
価格を「YSSは1万円前後、キタコはそれより安い」と思い込んでいたら、実際はYSSが12,000円、キタコも同等クラス、武川に至っては15,000円超と、下調べの数字が軒並みズレていた。
リンクのサイズ違い(345mm/330mm)でも何度も往復した。
ネットの情報も、AIに聞いた内容も、そのまま信じると足をすくわれる。最後は自分の目で商品ページを開いて価格・サイズ・適合を確認し、純正の実測値と照らし合わせる。この地味な作業だけが確実だった。
取り付けたらまた報告します。上側の取付部は、初期は肉厚のカラーが付いているので付属の薄いカラーに入れ替える必要があるらしい。そのあたりも実際にやってみてから書くつもりです。

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