プラグコードを交換しようとした日、まさかイグニッションコイルまで交換することになるとは思っていなかった。
しかし車というのは、一箇所触ると別の問題が顔を出す。
覚悟はしているつもりでもいざその場面に立たされると、なかなか堪えるものがある。
4番コードが抜けなかった
プラグを4本交換し終えて、続けてプラグコードの交換に取り掛かった。
ところがどうやっても2番コードのコイル側キャップが抜けない。
ゴムが硬化して完全に固着している?
左右にねじりながらゆっくり引こうとしたが、びくともしない。
長く交換せずに来たせいなのか?こういうときは良くないことが起きるとき。
分かっていてもどうにもならないことがよくある。もう少し慎重に引くべきだったかもとも思う。
力を入れたその瞬間、グニャりとした感触とともにコードが千切れ、キャップの金属端子部分がコイル側に残ったまま、ゴムと銅線だけが手元に来た。
▲ キャップ部分がコイル側に残ったまま千切れた状態
2番気筒が失火したまま走れば触媒やエンジンへのダメージにつながる。当然ながら
このまま車を動かすことはできない。
端子を取り出す格闘
コイル側に残った金属端子を取り出す作業が始まった。
まずCRCを端子穴に吹いて15分ほど浸透させてから、ラジオペンチで引っ張った。
ペンチで掴める程度には端子が露出していたので、これで抜けるかと思ったが全く動かない。固着の度合いが尋常ではない。
次にドライヤーを試した。
金属は熱で膨張するので、温めることで固着が緩む場合がある。2〜3分ほど加熱してから引っ張ると、わずかに動く感触があった。加熱→引くを何度か繰り返したが、完全には抜けなかった。
効果はあるには違いなかったが、固着の深さに対して力が足りなかった。
ラジオペンチで捻りながら引くが、掴みしろが浅くて捻る力が入らない。じわじわと追い詰められるような作業だった。
コイルを外して発覚したこと
コイルを車体から外して手元で作業することにした。
外し方は難しくないようで、バッテリーのマイナスを外し、上に刺さってるカプラーなどを外し、固定ボルト3本を抜けばコイル本体が取れるようです。
実は4番も抜けず千切れてしまった。4番の横に固定ボルトこちら反対側。ここにもボルトひとつ。
もう一つの固定ボルトが見えない位置にあるので手探りで緩めました。
外したカプラー、これらを外してコイルをずらして、コイルに刺さってるカプラー2つ外しました。
遮熱板の右側奥にコードが…
こいつ、これ切断してしまった…
カプラーがなかなか抜けてくれず、イグニッションコイルに刺さってるカプラーはそのままで、固定ボルトを緩めてフリーにしてからカプラー外しました。
こういうのがあればいいんでしょうねぇ。
手元に来たコイルを改めてよく見てみると、端子塔の根元あたりに何か白っぽいものが見えた。
最初は汚れかと思った。指でなぞってみると、明らかに段差がある。
樹脂が縦に裂けて、隙間が開いている。白く見えていたのは亀裂の断面だ。表面の汚れではなく、完全に割れている。
▲ 端子塔の根元に縦のクラック。隙間が開いているのが分かる
イグニッションコイルの樹脂部分にクラックが入ると、ここから高電圧がリークして失火の原因になる。接着剤やシーリング材で補修したとしても、数万ボルトの高電圧に耐え続けることはできない。修理という選択肢はない。
端子が抜けないという問題に加えて、クラックまで発覚した。このコイルはもう役目を終えている。コイル交換確定だ。
部品探し:まず品番を確認する
NA8Cのイグニッションコイルには、Sr.1とSr.2で異なる仕様がある。これを知らずに探し始めると無駄足を踏む。
違いはコネクターのピン数だ。Sr.1は4ピン(品番:BPE8-18-10XA)、Sr.2は3ピン(品番:BPE8-18-10XC)。
形が似ていても配線の本数が違うので、そのままでは流用できない。
私のNA8Cは平成8年式のSr.2なので、3ピンタイプが必要になる。
念のためNBロードスターへの流用も考えたが、NBはダイレクトイグニッション方式に変わっているので全くの別物だ。
純正新品という選択肢は最初から消えた
まず純正新品の価格を調べた。
Sr.1用が約55,000円。Sr.2用はさらに高い価格…。
車への愛情と財布の残高を天秤にかけた結果、純正新品という選択肢は速やかに除外した。
旧車DIYにおける合理的な判断というのは、こういうことだと思っている。
社外互換品を探す
次に社外新品を探した。
互換品が存在すると思ったが、ことごとく4ピン。
3ピンは楽天市場にもアマゾンにもなかった…
需要と供給の問題で、NA8C Sr.2用のコイルはそもそも流通量が少ないようだ。
ヤフオクで26,000円の出品を発見
粘って探していたところ、1件だけ条件に合う出品が見つかった。
「NA8C(Sr-2)3pin BPE8-18-10XC イグニッションコイル イグナイター」、即決26,000円・未使用品・送料無料・出品者評価373・平均24時間以内発送という内容だった。
価格については正直なところ安くはない。
互換品が4ピンの相場を見たあとだと26,000円は高く感じる。
しかし現時点で他に選択肢がない。
純正新品と比べれば半額以下だ。
でも、高いなぁ…
最終的に中古品で対処
ということで、最終的には中古品を入手することにした。
激安魔王さんが使えると書いて出品していたのでそれを信じることにした。
届いた品を確認すると、1本の端子に腐食が見られた…
白く変色しており、接触抵抗が上がる可能性がある。サンドペーパーで内壁を磨いて対処した。
左側が曇っていて、輝きがありません。
もう一つの方は左右とも輝きがあります。
先が尖ってるビスで削りました。ちょっといびつですが輝きを取り戻しました。
中古品購入の闇かも…
次回はいよいよコイル交換とプラグコード4本交換の作業記録をお届けする。果たしてロードスターは無事に復活するのか。続きを乞うご期待。
⚠️ 固着したプラグコードを外す際の教訓・NA8C Sr.1とSr.2のコイルは互換なし
コードは左右にねじりながらゆっくり引き抜くこと。強引に引っ張るとコードが千切れて端子がコイル側に残る。また、Sr.1は4ピン(BPE8-18-10XA)、Sr.2は3ピン(BPE8-18-10XC)でコネクター形状が異なる。購入前に必ずピン数を確認すること。












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